2011年12月24日

盛岡・五番館の記憶再び

 今日はクリスマス・イヴ。冬至も過ぎ、これからは毎日、少しずつ日が長くなっていきます。春が確実に近づいてくるのが日々実感できます。
 今夜は、カミさんは盛岡で女子会です。友人たちは40歳代の独身キャリア・ウーマンが多いので、女だけで忘年会だそうです。私は、とても理解のある夫なのでイヴの夜に放っておかれてもまったく気になりません。夕食後、どの小説を紐解こうか、と今から楽しみです。
 
 今朝、3ヶ月以上前に書いたブログにコメントをいただきました。今は無き「五番館」という喫茶店について書いた記事です。うれしくて、カミさんにも知らせました。「マスター、今もこんな風に自分のことが話題になっているなんて、思ってもみないよネ」と言ってました。

 その方の書きこみにあった「西陽」「煙草の煙」という言葉が、強烈に記憶を喚起しました。あの店内で過ごした、四季折々の思い出が甦ります。そう言えば、私もあの頃は煙草を吸ってました。

 慌しすぎる年の瀬、五番館の思い出が、ひとときほっとさせてくれました。
 多くのことをやり残して、2011年が終わろうとしています。

 今宵、皆様に、素敵なイヴが訪れますように。
posted by walker at 18:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 喫茶・カフェなど

2011年12月09日

日本の本当の税率は幾らか?

 日が短いです。昼ごはんを食べ終わるともう夕暮れという感じです。現場回りに出ると、明るいうちに帰ってこれません。冬至が待ち遠しいです。
 さて、今日は久しぶりに税金について書きます。
 以前から疑問に思っているのですが、日本の税率って、他の先進国と比較し、高いんでしょうか、低いんでしょうか?
 会社経営者は皆感じているのですが、社会保険料(健康保険+厚生年金)だけで、会社負担分まで入れると、実質、人件費(会社が負担している実質のお給料)の約25%になります。その他に、所得税、住民税が取られます。さらに、金額的には多くありませんが、雇用保険料だって実質税金みたいなものです。
 年収や扶養者の有無によっても違いますが、おおよそ会社が人件費として見ている金額の30から35%は源泉徴収される、と考えて良いでしょう。サラリーマンにとってはこれが実質の税金です。
 加えて、消費税があります。現在5%です。収入の1割を貯金、9割を消費活動に回している人であれば、手取り金額の4.5%が税金で取られます。もし10%になれば、税率は手取りの9%です。
 その他、車、ガソリン、タバコやお酒といった嗜好品にかけられている税金を考えれば、実質的な税負担率はおおざっぱに言って平均40から45%程度ではないでしょうか?消費税が10%になれば、これが約45から50%になります。
 どうでしょう?思ったより税率って高いんだな、と思う人が多いのではないでしょうか。特に納税のほとんどを源泉徴収されているサラリーマンの方々。
 この「いっぱい税金取られている!」という感覚、認識がとても大切だと思います。これを機に、人は本当の意味で(観念的ではなく、という意味)政治に参加します。そして大人になります。今、永田町にいる人たちはモラトリアム状態(自分で稼いだお金で税金を払った経験がない)から政治家になった人が多く、したがって、どこか観念的であり、現実の問題を解決する能力に乏しい、と言わざるを得ません。
 いっそ、源泉徴収をやめてしまって、皆で確定申告に行きましょう。そもそも、なぜ、納税の為の作業する人件費を民間企業が負担しなければならないのか、納得がいきません。国民が等しく、どれだけ自分が税金を払っているかキッチリ自覚しましょう。実は、源泉徴収という制度は、国民の税負担に関する意識を希薄化させ、それによって政治的無関心を作り出すシステムに他なりません。

 さて、では45から50%という税率について、どうとらえるべきでしょうか?
 日本国民として、国から人権、生命、財産を守ってもらい、ライフラインの供給を受け、老後(60歳以降)の生活を保障してもらえるのであれば、けっして高い税率とは言えないでしょう。たとえ、消費税が10%になって税の負担率が実質50%になろうとも。
 最大の問題は、医療体制と老後の保障、すなわち社会保障制度の信頼性にあります。
 その意味で、「社会保障と税の一体改革」には注目しています。
 社会保障の財源には、すでに税金の一部が投入されてますが、今後、さらにその形を推し進めてゆくべきでしょう。また、厚生年金と公務員の共済年金の財源の垣根も、ぜひ取り払うべきです。公務員のみなさん、いろいろ言いたいことはあるでしょうが、自分たちだけ、安泰な老後を送っていても、周囲の老人たちが皆、不安で貧しい暮らしをしている中で、本当に心穏やかでいられますか?しかも、そのような国を作ったのは誰でもない、あなたたちなのですよ。正しく想像力を働かせ、よ〜く考えてみましょう。

 政治家は、政局ではなくちゃんと政治をやりましょう。自民党、情けないです。谷垣氏も石原氏も、自分らが国民からどのように見えているのか、まったく自己を客観視出来てません。対照的に、野田総理は言葉に魂がこもってきました。但し、財政再建とTPP参加表明という2大政策の行方を危惧します。
 今日はここまで。これから久しぶりにJCの現役メンバーと会います。
posted by walker at 18:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・経済

2011年12月06日

10年後、現場で働く人間は残っているのか?

 先日の朝礼の持ち回りスピーチで、職人のEさん(60歳)が、こんな話をしました。
 「自分もこの会社にお世話になって7年だが、その間に若手がどんどん成長してきた。KもTも(当社の若手二人)も立派な職人になり、今では時折オーラさえ感じる。こうして皆をみていると、ほんとうにすごい集団だな、と思う・・・」
 実は、Eさんは7年前、他の瓦工事店から当社に来た方でした。面接してほしい、と電話があった時は、正直、悩みました。ただ、電話での声の感じに惹かれるものがあり、お会いし、採用を決めました。今は、採用して本当に良かった、と思ってます。
 ところで、Eさんの言った「すごい集団」という表現は、私もその通りだ、と日頃から思ってました。
 当社は、現在現場で働く14名の職方がおります(監督員は除いて)。資格で言えば、ほとんどが1級技能士で、かつ皆、経験も豊富です。業界新聞を読んでいると、まるで和瓦が葺ける職人が特別なように書いてありますが、当社では当たり前のことです。全員が、よその会社に行けば、エース級の実力者と言えるでしょう。さらにそのうち2名は板金技能士の資格も併せ持っています。
 現在、当社は技能レベルで言えば、ピークにある、と言えるでしょう。
 自慢話をする気はありません。この事実に、逆に私が危機感を持っているからです。
 全員が、経験豊富な資格者である、ということは裏を返せば、若手、新人がいない、育たなかった、ということでもあります。
 今、当社に、若手の新人が入社した、とします。多分、続かないでしょう。それだけ、当社の職方の仕事はハードなものになってます。
 いつの間にか一番若いTという職人も29歳。したがってもうすぐ20代の働き手はいなくなります。
 あと10年たったら、どうなっているのでしょう。それまでに、どれだけ、次世代の働き手を、当社は育成できるのでしょうか?
 
 外に目を向けてみましょう。現在、建築業界は空前の人手不足です。理由はふたつ。
 ひとつは、言うまでもないことですが、ここ10年の不況です。多くの建設会社が倒産、廃業し、その下請けの専門工事店も、同様に倒産、廃業、大幅業務縮小となり、従業員も減りました。現場での働き手がこの10年で3割減ったと言われてます。残った7割を見ても、高齢化と技能レベルの低下は著しいでしょう。全体としての施工力は、4から5割近く落ちていると言って良いのではないでしょうか?
 ふたつ目の理由は、これも言うまでもなく、震災後の、復旧、復興工事が大量に発注されているためです。
 大手ハウスメーカーでも、日頃から職方を大切にしてこなかったところは、受注があっても、家が建たない状況です。先日、それまでまったく取引のなかった某大手から工事をやってほしい、と電話が入りました。勿論、お断りしました。今までお世話になったお客様の工事でも手が回らないところに、そのような依頼を受けられる訳がありません。倫理的に許されることではありません。

 この10年、大工さんなど職方を従業員として抱える工務店、専門工事店がどんどん少なくなってきました。代わりに増えたのが、営業と設計と施工監督員だけで会社を作り、イメージ先行、工事は全て外注というタイプのビルダーです。人間で言えば、口先と要領の良さだけが取り柄で、包容力も体力もまったく無い、まあ、女性の皆さんの立場で言えば、絶対に結婚しない方が良い男のタイプみたいな会社です。
 ところが、なぜかそういうタイプの方が現代ではモテるみたいで、悲しいかな、質実剛健、工事品質の最後の砦である専門工事店までもその業態を真似して、自社職人を抱えなくなってきました。職人たちは、1人親方として独立し、外注先という立場になりました。
 生活の安定も将来の保証もなくなった業界に、後継者が現れるはずもありません。

 建築業界は、今回の空前の人手不足を経験し、将来に向け、目を覚ますことができるのでしょうか?
 残念ながら、私は無理だと思ってます。
 「セキスイハイム」が「工場で家を作る」ことをセールス・ポイントにするTVCMを打ちました。画期的なCMでした。
 それまでは、現場における職人の腕前こそが住宅建築のセールス・ポイントでした。そのような信頼できる職人が、ますます廃れて行かざるを得ないのが日本の未来です。建物の品質を現場の働き手の能力にゆだねることが出来ない時代が、もうすぐ来ます。
 また、専門工事店における知的経営者も少なくなってきます。優秀な人材は、キツイ、儲からない、ハイ・リスクなこのような業界には誰も入ってこないでしょう。専門工事店のほとんどは当社も含め従業員数名〜20名程度の小さな会社です。その経営のために要する能力は、先見性、マネジメント力、財務知識、理系的なセンス・知識、営業力・・・と極めて多岐に渡ります。私くらいの世代(1961年生まれ)であれば、優秀な人間でも事情があって進学できなかった者がたくさんおりました。その中からも多くの優秀な経営者が出てきたでしょう。今後もそれが期待できるか?残念ながら現状を見る限り、非常に疑わしいです。
 あくまで家は腕前の良い職人に作ってもらいたい、というこだわりがある人たちは、今、つまり私くらいの年代が現役でいられる時が、最後のチャンスかも知れません。

posted by walker at 19:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築業界について